2012 Winter

冬の夜空に輝く「オリオン座」「木星」を見よう!
冬は、1年の中で明るい星が最も多く、星が最高に美しく見える季節です。しかも、今年の冬は「木星」の輝きが加わり、一段と美しくにぎやかな星空となります。今回は、この星空の中でも、全天で一番明るく形の整った美しい星座のひとつである「オリオン座」、そして、マイナス2.8等というすばらしい輝きを見せる「木星」に注目してみましょう。


2013年1月20日午後9時頃 南の空(福岡市)※月は拡大して表示
◆「オリオン座」
 冬の星座の代表は、この「オリオン座」ではないでしょうか。1月中旬であれば、午後9時頃、真南の夜空を見上げた途端に目に飛び込んでくる星座です。明るい星ばかりで大変見つけやすい星座です。

○見つけ方のポイントは、三つ星と二つの1等星
 見つけ方はとても簡単で、明るい星々の中に三つの2等星が同じような明るさでほぼ等間隔に並んでいるのが目印です。これが有名な「三ツ星」です。さらに、その上に輝く1等星「ベテルギウス」と、右下に青白い1等星「リゲル」を見つけることができたら、夜空に「オリオン座」の姿が浮かび上がってくることでしょう。

○1等星「ベテルギウス」と「リゲル」
 「オリオン座」には、二つの対照的な1等星を見ることができます。オリオンの脇の下で赤く輝く「ベテルギウス」と、左足で青白く輝く「リゲル」です。「ベテルギウス」は表面温度の低い年老いた星、「リゲル」は表面温度の高い若い星です。この二つの星の色を平家の赤旗、源氏の白旗になぞらえて、赤いベテルギウスを「平家(へいけ)星」、青白いリゲルを「源氏(げんじ)星」と呼ぶ地方もあります。

オリオン座
○オリオン大星雲「M42」
 「三つ星」の下に縦に並ぶ3つの星が、「小三ツ星」です。その中央は、実は星ではありません。これはオリオン大星雲「M42」です。双眼鏡や天体望遠鏡を使えば、淡いピンク色の広がりをもった天体(星雲)の姿を見ることができます。この星雲の正体は生まれたばかりの若い星と、それをとりまく水素ガスが星からのエネルギーを受けて発光しているものです。その中心部分では、新しい星がたくさん生まれていて「星の製造工場」とも言えるところです。

望遠鏡で見たオリオン大星雲「M42」 国立天文台
望遠鏡で見た木星 国立天文台
◆「木星」
 木星は太陽系最大の惑星で、その直径は地球の直径の約11倍もあります。美しいしま模様が特徴です。その大きさからローマ神話の主神「ジュピター」の名前が付けられています。大きい星ですから、星空の中でも明るく輝いて見え、その明るさは最大時にはマイナス2.8等級にもなります。

○見つけ方のポイントは「おうし座」
 今年の冬の星空で月に次いで最も明るいのは、いま「おうし座」にある「木星」です。 「おうし座」を見つけるには、まず「オリオン座」の「三ツ星」をつなぐ線を右の方に延ばします。すると、赤く輝く1等星の「アルデバラン」にぶつかります。「アルデバラン」は、「おうし座」の目の位置にある星です。その「アルデバラン」の右上に、ひときわ明るく輝く星を見つけたら、それが「木星」です。

○双眼鏡や望遠鏡で見てみましょう
 双眼鏡で木星を見ると、木星のまわりを回る衛星のうち、特に大きな「ガリレオ衛星」とよばれる「イオ」「エウロパ」「ガニメデ」「カリスト」の4つを見ることができます。 望遠鏡を使えば、木星の表面のしま模様が見えてきます。20倍くらいの倍率であれば二本の濃いしま模様を確認することができます。

★観望会に参加してみませんか!

  冬は寒いので、外には出たくない…と思う方も多いかもしれません。しかし、この時期は気温が低いため空気中の不純物の一部でもある水蒸気が減り空気が澄んで、夜空では星の輝きがいっそう鮮やかです。福岡県青少年科学館では毎月「市民天体観望会」を行っています。観望会に参加して、夜空を見上げ望遠鏡をのぞきながら、美しい星たちの姿や輝きに触れてみませんか。

1月19日(土)18:30~19:30 /  2月16日(土)18:30~19:30

ふくおかけんPTA新聞 第240号掲載